弁護士はどう読む?―『空飛ぶタイヤ』に見る刑事事件考

弁護士はどう読む?―『空飛ぶタイヤ』に見る刑事事件考

池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』(実業之日本社、2006年)という小説をご存知でしょうか。 この作品は、2000年代に発生した国内大手自動車メーカー製大型トラックの脱輪による死傷事故と、同社による係る「リコール隠し」を下敷きとしています。主人公・赤松徳郎が経営する運送会社のトラックが脱輪により死傷事故を起こしてしまうところから物語が始まり、事故は同社の整備不良によるものだとして、赤松は警察から刑事事件の被疑者として追及されます。これに対し、赤松は「事故原因は車両自体にある」と主張して、トラック製造・販売元である自動車メーカーを相手に戦いを挑む、といった話になります。興味がある方はぜひ手にとってみてください。

この作品で赤松が追及されていた「被疑事実」は、業務上過失致死罪(刑法211条1項)だと思います(弁護士さんに聞いてみたいですね)。「業務上過失致死罪」は、業務上必要な注意を怠ること、つまり過失によって人を死亡させた場合に成立する犯罪です。ここでいう「過失」とは何を意味するのでしょうか。このサイトでは、上述のような刑事事件における「過失」について取り上げて説明していきたいと思います。

参考 参考にした刑事事件弁護士のサイト

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